初七日を終えると、遺族の方も少しはほっとするものです。しかし、忌明けまで、まだまだたくさんのするべきことが待っています。今度は、死者を供養するために、また先祖を供養するために、家としてやらなければならないことが多くなります。その中で、これだけはやっておかなければならないというものを列挙しました。
法要を構成する三つの要素
◆追善供養
死者が無事に浄土(極楽)へ往生して幸せになれるよう、生きている人が善事を行い、死者を助けるための供養。供養には、仏前に供物を供え、僧侶を呼んで読経してもらい、参会者が焼香、礼拝します。
◆墓 参
焼香の後に参会者全員でお墓参りに行く。合掌礼拝し、お墓を清め、花や線香を供え、僧侶が同行した場合は読経をお願いします。
◆お 斎
墓前での供義を終えた後、僧侶や参会者にふるまわれる食事のこと。法要参会者が、故人の思い出を語り、歓談する場です。宴席の初めに遺族代表が故人のために集まってくれたかたがたに厚くお礼をのべ、会食していただくよう、あいさつします。
忌明けまでの法要・忌明け法要
◆四十九日までの法要
ニ七日(14日日)から、六七日(42日日)は法要を営みます。しかし、最近は僧侶の読経を略して家族だけで法要することが多いようです。
◆忌明け法要の日取り
忌明け法要は、亡くなった日から数えて四十九日目(三十五日日にする場合もある)に営む習わしですが、最近は直前の休日に行う場合が多くなっています。
- 僧侶の予定を尋ね、日時・場所を決定します。
- 親戚関係と故人の友人関係など特にお世話になった方々を招きます。
- 日時が決定したら、なるべく早めに関係者に連絡します。
- 連絡は、電話、ハガキで行います。
◆忌明け法要までに用意しなければならないこと
- 忌明け法要までに、塗りや唐木の本位牌を用意しておきます。
- お花、線香、ローソク、お供え品、焼香などの用意をしておきます。
- 忌明けを過ぎた白木の位牌は、菩提寺と相談して処置します。
- 忌明礼状
- 香典返し
- 仕出し料理
◆法要の際の服装
喪主とその家族は、なるべく礼服を着るようにします。参列者は、略礼服か黒っぽい服装で出席するようにします。
◆参列者の順位
法要の席順は、葬儀ほど神経賀になることはありませんが、日上の万、遠方の万、故人と親しかった方はなるべく上座に座っていただくようにします。 喪主は法要の進行をつとめます。
◆法要の進行順序
- 一同入場
- 開式の挨拶(省く場合もあります)
- ろうそく、線香に点火
- 僧侶に合わせて、礼拝
- 読 経
- 焼 香(僧侶の指示により、参列者全員が順こ行います)
- 法 話
- 閉式の挨拶ならびに会食の案内(喪主)
- お 斎(会食)
- お開きの挨拶(代表者)
◆法要の後
- 列席者の方々を、酒や料理などでもてなすのが通例です。
- 会食には、引出物をつけるのが一般的です。
- お供え物を、皆さんに分け、一緒にお持ち帰りいただく場合もあります。
- 手提げ袋や風呂敷を人数分用意し、持ち帰りに便利なようにしておきます。
- お布施は、あらかじめ用意しておきます。
◆七七日(49日)の法要
- 七七日(49日日)は、仏教ではこの日の審判で死者の運命が決まるといわれ、忌日のなかで重要な日とされています。
- 七七日は忌明けの日でもありますから、たいていの場合僧侶を呼び、親類や友人、知人を招いて、盛大に忌明け法要を営みます。
- 香典をいただいた万へ忌明けのあいさつ状と共に香典返しをします。
- 仏壇のない家は、四十九日の忌明けまでに新しい仏壇を用意します。
- 仏壇の扉は、忌明けまでは閉じておくのがしきたりですが、忌明け後は、朝、扉を開け、夕方閉めるのが一般的です。
- 白木の位牌は、忌明けまでは遺影と共に祭壇に置きますが、忌明けと共に寺へ返し、代わりに塗りの位牌を入魂供義して仏壇に納めます。
- 忌服期間中は(葬儀後〜一周忌)、結婚式などのお祝い事など慶事への出席を控えます。
- 挨拶状など早めに準備しなければいけないものがあります。
形見分け
◆遺品整理
故人の遺品で、メモや日記、手紙などの類は、いつ必要なことが起こるかも知れません。故人が日常愛用した小さな品や職場などの遺品整理はつい忘れてしまいがちです。できるだけ早い機会に遺品整理を行いましょう。
◆形見分けの範囲
ごく親しい近親者や親戚、友人などに形見分けをする場合が多いようです。一般に日上の人には差し上げません。日常生活でその品を愛用してもらえるよう、故人の意志をくんだ、それぞれの方にふさわしいものを選んで贈るように心がけましょう。
◆形見分けの時期
- 仏式 : 四十九日の忌明けに行うのが一般的です。
- 神式 : 五十日祭のころ。
- キリスト教 : 特に形見分けの習慣がありませんが、わが国では一週間後か、一か月後の召天記念日に行う場合が多いようです。形見分けは包装せずに、裸のまま渡します。その場合、その品の来歴などを添えるようにしてもいいでしょう。