通夜・告別式・お葬式などでは色々なしきたりやマナーがあります。
万一の時に慌てないために、わからないことは今のうちに解決しておきましょう。
- Q1:葬儀と告別式はどうちがうのでしょうか?
- A1:最近では、葬儀の終わったすぐ後に告別式が行われることが多くなり、葬儀と告別式がほとんど同じ意味合いで行われていますが、本来はまったく別のもので、それぞれ違う意味をもっています。 葬儀は、死者を葬る儀式であり、宗教によってその方法が異なります。仏教では、故人の成仏を祈る儀式をいい、告別式は、故人と最後の別れを告げる儀式のことをいいます。
- Q2:霊前に供える現金、なぜ「香典」って言うのでしょうか?
- A2:死者の霊にたむける香の代金という意味です。昔は仏に対する六種供養(花・香を供える・焼香・灯明・水・飲食)の一種でした。現在では六種供養の一切を喪家側でととのえるため、香の代金として現金を包むようになり、宗教と無関係に、不意の出費に対する相互扶助という意味合いが強くなっているようです。
- Q3:忌中と喪中って何? 期間は?
- A3:死後七七日、四十九日までを忌中、死後一年間、すなわち一周忌までを喪中とすることが一般的です。 これは仏教の習慣からきたものとされており、一周忌が終わるまでは、結婚式や賀寿、記念パーティーなどの慶事を見合わせるのが基本です。 また、神社への参拝、氏神の祭事への参加も慎むようにします。
- Q4:香典を贈った場合でも、供物も贈るようにしたほうがいいのでしょうか?
- A4:本来の香典の考え方からすれば、香典か供物どちらかを贈ればいいのですが、近親者や親しい間柄の場合は、両方を贈るといいでしょう。 供物は生花、線香、ろうそく、花輪、和菓子、果物、酒など。線香類は仏式に限られますから注意しましよう。
- Q5:法要の日取りは、故人が死去した日を第一日目と数えるのでしょうか?
- A5:大ざっぱにいうと、東日本は故人が死去した日を第一日目と数え、西日本はその前日を第一日目と数える習慣になっているようです。 これによって、以後の法事の日取りも違ってきますから、僧侶に確認をとってから法要を考えるのがいいでしょう。
- Q6:焼香はどのようにするのでしょうか?
- A6:親族の焼香が終わったら、招かれた側は席の順に焼香していきます。 1 祭壇の前に進み、施主・遺族・僧侶に一礼 します。 2 軽く合掌したのち、焼香します。 3 抹香をつまみ、日の高さ位までもっていき 香炉へ入れます。(回数は宗派によって異なります。) 4 焼香がすんだら、施主・遺族・僧侶に一礼 して席へもどります。
- Q7:法要に招かれましたが、いくら包めばいいでしょうか?
- A7:金額はおよそ香典の半分ぐらいを目安にします。 表書きは「御仏前」と書き、水引きは銀色か黄白のものを使います。 しかし、喪家から「特別な心配はしないでください」と言われたら、お金は包ます、果物やお菓子など少量の供物を持って伺うとよいでしょう。 その場合「御供」の表書きの黄白のかけ紙を使います。
- Q8:お彼岸の期間中はどのような供義をしたらいいでしょうか?
- A8:壇に花と供物を供え、お彼岸の期間中は灯明や線香を絶やさないようにします。 また家族そろつてお墓参りをし、お寺で彼岸会の法要を営みますので、日時を調べておいてできるだけ参加しましょう。
- Q9:お盆とはいつからいつまでの期間をいうのですか?
- A9:先祖の霊を供養する行事で、七月十五日を中心として営まれますが、地方によってその期間に長短があるようです。 一般的には、七月十三日から十六日までの新暦のお盆、八月十三日から十六日までの月遅れのお盆、旧暦のお盆とさまざまです。
- Q10:先祖の霊を迎えるための精霊棚は、どのようにして作るのですか?
- A10:仏壇や床の間の前に白い布をかけた経机を置き、その上にすのこや真菰(まごも)(むしろの一種)などを敷きます。四隅には青竹を立てておきます。 ただ現在では、スペース的にも無理なことが多いため仏壇に故人の好物などをお供えし心をこめて供養すればよいと思われます。
- Q11:仏壇にはどんな種類があるのですか?
- A11:般に市販されている仏壇には、大人の背丈ほどの大型のものから、たんすや棚の上に置く小型のものまであり、部屋のスペースに合わせて選べます。 材賀から男ると、漆塗りに金箔を施した「塗り仏壇」と黒檀・紫檀といった木目の美しい材賀で作られた「唐木仏壇」の二種類に分けられます。
- Q12:仏壇を購入するにあたっての注意点は?
- A12:それぞれの住まいの広さに適した大きさの仏壇を購入することが大切です。置く場所のサイズをきちんと測りましょう。その際には扉の開く余裕も考慮に入れてください。その上で、高さ、幅、奥行きを確かめてから店に足を運びましょう。 日本間に置くのか洋間に置くのかもタイブの選択のポイントになります。たんすや棚の上に置ける小型の仏壇は狭い家には最適です。
- Q13:マンションなので仏間がありません。どこに安置すればいいでしょうか?
- A13:たとえ仏間がなくても、家族か集まりやすい心静かに落ち着ける場所であればよいでしょう。客間かあれば客間、なければ居間の正面の位置などが適しています。直射日光を避け、風通しのいい南向きに仏壇を置き、北を背にした場所を選ぶようにしましょう。
- Q14:普段の仏前供養での礼拝の手順はどうするのですか?
- A14:仏壇を清め、仏飯と湯茶を供えます。ろうそくに火をともし、線香を焚き、鈴を打ち合掌します。次に読経を唱え、終わつたらまた鈴を打ち合掌して深く礼をします。(読経をしない場合は二回目の鈴は打ちません)ろうそくの火を消し、軽く一礼して終了します。
- Q15:神棚のある部屋に仏壇を安置してもいいのでしょうか?
- A15:それぞれ大切に祀らなければならない、と言う考え方から同じ部屋への安置はいけないとされてきましたが、昨今の住宅事情ではそのようなことも言っておれません。 同じ部屋に置く暢合は、向かい合わない配置にするほうがいいでしょう。仏壇にお参りした時に神棚にお尻を向けることになりますから。
- Q16:仏壇を買い替えた時、どんな供義をしなければなりませんか?
- A16:古い仏壇から本尊、位牌を取り出して、僧侶に読経をしてもらい、古い仏壇の魂抜きをし、礼拝のうえ、本尊、位牌を新しい仏壇に移します。これを遷座式、あるいは遷座法要と呼びます。 古い仏壇は、新しく購入した仏具店に引き取ってもらい、供養を行い、焼却してもらいましょう。
- Q17:生きているうちに位牌をつくることもできるのですか?
- A17:できます。亡くなった人のためにつくった位牌を順修牌というのに対して、生きている間に戒名、法名をつけてもらってつくる位牌を「逆修牌」あるいは「寿牌」といいます。 逆修は予修ともいい、「あらかじめ」という意味です。
- Q18:仏壇のお供えの基本を教えてください。
- A18:香、花、灯明、浄水、飲食の五つを「五供」と呼んでいます。 宗派は違っても、仏壇に明かりを灯し、線香を上げ、花や供物を供えるということは、供養の基本です。
- Q19:お墓は建てないといけないものでしょうか?
- A19:香、花、灯明、浄水、飲食の五つを「五供」と呼んでいます。 遺骨はお墓を作ってその中に納めなくてはならないという決まりはありません。残された遺族の、遺骨を大切に守り、土にかえし、故人が無事に仏の世界にたどりつけるようにと願う心が、お墓を建て、供養させたりするのでしょう。 また、代々の先祖をまつり供養してゆく大切な場所でもあり、今生きている人の魂の寄り所にもなります。
- Q20:自分の死後、だれにお墓を相続してもらうか指定できると聞きました。どのような手続きをすればいいのでしょうか?
- A20:指定の手続きは書面でも遺言でもできますが、公証人役場で遺言として残す万が安心です。「遺言者は先祖の祭祀を主催すべきものとして○○○○を指定する」と書きます。 なおこの場合、指定できるのは遺言相続者や配偶者、実子でなくても良いことになっています。ただし、指定した人にその意志がない場合は、この遺言書は効力を生じません。