通夜、葬儀の形式とは、仏式、神式、キリスト式、など、通夜葬儀を営む際にどの宗教に従うかという宗教上の問題です。日本では約9割が仏式で行われますが、故人が無宗教で自分らしい儀式の形式(音楽葬、山岳葬など)を希望していた場合は、その遺志を尊重するべきです。
事前に調べておくこと
家紋、宗派、親しい友人や知人、親戚の所在地、また連絡してほしい人などを事前に調べておくとよいでしょう。また、菩提寺・同宗派の寺の所在地や電話番号、もしもの時に依頼する葬儀会社の連絡先も記録しておくことをおすすめします。
臨終の連絡
連絡は電話で行うのが最も早く、確実な手段です。緊急の場合なので早朝深夜にかかわらず、たとえ相手が目上の人であっても、電話で失礼になりません。あいさつは最小限にとどめ、気持ちを落ち着けて用件のみを手短に話すことを心がけましょう。また、本人がいない場合でも、留守番電話やファクシミリが使えればその方法で知らせておきます。
◆家族、親族、近親者への連絡
本人が会いたがっている人、家族から見てどうしても会わせたい人に必ず知らせることです。伝える内容は要点だけを正確に知らせましょう。
◆葬儀社への連絡
不幸があったら葬儀社へ連絡し、通夜、葬儀について相談します。連絡は電話でもかまいません。葬儀の日程や菩提寺、読経をしていただく僧侶の人数などを相談します。菩提寺が遠くにある場合は、近くの同宗派の寺を紹介してもらうのもよいでしょう。
通夜の前に決めること
◆喪主を決める
一般に妻や夫が亡くなった時は配偶者、配偶者がいない時は子供、子供がいない時は親族になりますが、現在は故人と最も縁の深い人が喪主になるケースがほとんどです。喪主が未成年の時は、成人の近親者が後見人となり喪主を助けます。また、故人に近親者がいない場合は、親しい友人が喪主となります。いずれにしてもその後の仏事の施主になるので、末永く故人の供養ができる人であることが大事な条件になります。喪主は、通夜、葬儀を通じて故人のそばに付き添い、弔問客の応対をしますが、席を離れて出迎えや見送りはしません。
◆世話役の依頼
葬儀の主催者は遺族ですが、遺族には弔問客の応対という大事な役自があります。 実際に葬儀を取り仕切るのは世話役です。通常、親戚、近所の人、親しい友人や知人に依頼します。故人が在職中に亡くなった時は、職場の同僚や部下にもお願いします。
葬儀の規模・日程について
葬儀の規模は故人の社会的地位、交際範囲、遺志喪家の意向などを考えて決定します。葬儀の日取りを決める際には、僧侶と火葬場の都合を確認した上で、葬儀に必要な手続き(死亡屈の提出、火葬許可証の受領など)や弔問客の到着時間も考慮して決定します。
一般には、死亡した当日の夜に納棺、翌日に通夜、翌々日に葬儀という日程になります(死亡したのが夜の場合は、一日ずつずれます)。 しかし、葬儀全体の簡略化に伴い、死亡当日に納棺と通夜、翌日に葬儀というケースも増えているようです。 その場合も、火葬・埋葬は死後二十四時間以上経過しなければできないと法律で決められていることに留意しなければなりません。
葬儀の場所について
仏式では、通夜葬儀を自宅で行うのが普通でした。しかし、団地やマンションなどの集合住宅の場合は、エレベーター、階段などの共有スペースがあること、狭いことが問題になります。
ですから、集会所などを利用します。また、葬儀会社直営の斎場を利用することもできます。なければ、寺院を僧りる方法もありますし、宗教に関係なく利用できる公営の斎場もありますので、自宅で使えない時はその斎場で通夜から葬儀までを営むことができます。
その場合、式場費用など前もって葬儀会社に相談をしておいた方が良いでしょう。